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日本放射線研究連合(JARR)の最近の活動

JARR幹事 籏野嘉彦,田川精一

  日本放射線研究連合(JARR: Japanese Association for Radiation Research)について,放射線化学会のホームページで紹介されたことがなかったと思いますので,生い立ちと最近の活動について報告します。

  JARRは1979年に東京で開催された第6回ICRR (International Congress of Radiation Research)の主催団体として,1976年に設立されました。

   第6回ICRRの開催後,JARRはInternational Association for Radiation Research(IARR)という国際組織の日本の加盟団体として,その後のIARRの活動に参画してきました。IARRの主な活動はInternational Congress of Radiation Research(ICRR)の開催に関する諸事業です。JARRの会員は放射線研究に関係する諸学会の会員のうち,目的に賛同し会費を払う個人会員であり,構成学会の会員が自動的にJARR会員というわけではありませんでした。年会費は500円(最近,1000円から値下げ)で,ほとんどIARR会費にあてられてきました。ICRRへ参加する若手への旅費の支援や構成5団体の若手の会などへの助成も行っていましたが,これらの財源は会員からの年会費ではなく,第6回ICRRの募金活動で集められたもので,行われてきました。最近はこれらの支援・助成活動は行っていません。JARRの運営構成団体は日本放射線影響学会,日本放射線化学会,日本保健物理学会,日本医学放射線学会生物部会,日本応用物理学会放射線分科会の5団体です。

   今回の第12回ICRRでInternational Congress of Radiation Research(ICRR)の会長は元京大放射線生物研究センターの佐々木正夫氏になりました。 JARRの新幹事の任期は次のICRR終了時までです。

  最近,JARRは強化策の一貫として,会員を従来の自由参加の個人会員ではなく,各構成学会として会員数を確保する方策を提案し,弱体化がすすむJARRの組織面での強化を図り,その結果平成14年度からは,日本放射線影響学会から600名,日本保険物理学会から100名,日本医学放射線学会生物部会からは100名の会員が入会しました。現状では日本放射線化学会と日本応用物理学会放射線分科会は従来通り個人会員としてJARRに参画しています。会員数増加にともない,JARRはIARRのなかで米国に次ぐ会員数を有する団体となりました。

  また,JARRの強化策の一つとして,JARRの運営構成団体を日本放射線影響学会,日本放射線化学会,日本保健物理学会,日本医学放射線学会生物部会,日本応用物理学会放射線分科会)の5団体から拡大するということで,放射線腫瘍学会,医学物理学会,放射化学会などへも参画を呼びかけています。

   本来,ICRRは放射線研究の広い分野をカバーするものであり,物理,化学,生物,医学,工学等のJARR構成5学会の得意分野を網羅していました。少なくとも第7回シアトル(1983),第8回エディンバラ(1987)まではそうだったと思います。ところが第9回トロント(1991)で物理と化学の発表が激減し,その傾向は第10回ヴュルツブルク(1995),第11回ダブリン(1999)へ引き継がれています。昨今ではICRR及びJARRは生物学研究と日本放射線影響学会が主流であるという捉え方が風靡しています。この件に関しては我々は各分野のバランスを充分配慮してほしいという申し入れをJARR幹事会に行い,他分野の方々も理解は示して頂いています。ただ今日では,ICRRのような網羅的な大規模会合より,専門家に絞ったゴードン,ミラーなどの小型の国際会議,ワークショップが放射線化学会の会員に好まれる傾向があります。大規模会合では資金準備に大きな困難があることも理由であると思います。放射線化学会としては欧米並みの簡素な会議にするということで,ICRR招致に賛成してきた経緯もあります。JARRは欧米並みの簡素な会議で行うことを前提に2011年の第14回のICRRの招致活動を開始しています。

  第12回ICRRは今年(2003年)7月11-17日に豪州ブリスベーンで開催されました。次々回2007年のICRRは米国サンディエゴで行われます。

 

最終更新日: 2003年8月27日