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学会誌「放射線化学」の紹介 放射線化学 若手の会 リンク 事務局

■2010 No.89  [PDFファイル・全ページ(4.3 MB)

  • 巻頭言
  • 特集記事
    • はじめに:放射線生物学における放射線化学の可能性  [PDFファイル(172 kB)
      山下真一(原子力機構)

    • 放射線DNA損傷の分析科学的諸問題と対策  [PDFファイル(455 kB)
      赤松 憲(原子力機構)
    • 放射線作用によるDNAの化学構造変化は,後の細胞あるいは生物応答としてどのような形で反映されていくのか。またその化学構造変化の仕方は線質によってどのように違うのか。「線質が違えば生物応答の仕方も違ってくる」ことは半世紀以上前から分かっているが,なぜ違うのかについて「仮説」は数多存在するものの統一見解は得られていない。DNAに生じた化学変化やその線質間の相違を明らかにするためには,目的に応じた新たな分析方法を開発してゆく必要がある。本稿では,既存の,あるいは筆者が新規に開発したDNA損傷分析法の特性について説明し,それらによって得られる放射線DNA損傷情報の意味について考察する。

    • 細胞やDNAへの影響から見たトラック構造  [PDFファイル(283 kB)
      平山亮一(放医研)・伊藤 敦(東海大)・古澤佳也(放医研)
    • 我々はChatterjeeとSchaeferらが提唱したcore-penumbraモデルを用いて,粒子種の違いによる生物影響をトラック構造の観点から考察してみた。細胞致死において電離や励起が重なり合うcore領域の電離密度が高い粒子線ほど高い細胞致死効果を示すことを明らかにした。またOHラジカルによって生じるDNA酸化損傷である8-OHdGをエンドポイントにすると,二次電子からなるpenumbra領域が広い粒子線ほど8-OHdGが大量に生成されることが判明した。これらの実験から,我々は電離や励起の空間的・時間的分布の違いが異なる生物影響として観察されるものと考える。

    • 重粒子線トラックとDNA損傷  [PDFファイル(586 kB)
      渡邊立子(原子力機構)
    • 放射線の線質やエネルギーの違いは生物影響の度合いに大きく影響する。この原因は,エネルギー付与分布の違いが生むDNA損傷の生成量や形態の違いにあると考えられる。しかし,具体的な損傷形態の詳細や量,それらの生物影響との関連については不明な点が多い。本稿では,これらの点を明らかにすることを目的として構築した,重粒子線やX線のトラックの微細構造に基づいて,DNA損傷生成過程をシミュレーションするシステムの概要について述べる。また, DNA損傷のスペクトル(形態と生成量)及びトラックに沿った空間分布についての結果を紹介する。

    • 照射培地移動による放射線バイスタンダー効果を遅発性長寿命ラジカルから探る  [PDFファイル(516 kB)
      熊谷 純(名大)・菓子野元郎(京大)
    • 培養フラスコ中でChinese Hamster Ovary(CHO)細胞をX or γ線照射(0.2〜4 Gy)照射し,24時間経過後にその培地(培養液)のみを被曝歴のないレシピエント側CHO細胞の入ったフラスコに移すと,後者の細胞の突然変異頻度が約4倍増加するとともに,細胞中に遅発性長寿命ラジカルが生じる培地経由放射線バイスタンダー効果を,突然変異試験並びに細胞のESR直接観測により確認した。培地のみを照射してもこの効果は現れず,被照射細胞から培地に溶出した未確認のバイスタンダー因子がこの発現に関与している。培地移動の際にアスコルビン酸(1 mM)を培地に加えると,レシピエント側細胞の突然変異発現は抑制され遅発性長寿命ラジカルも生じなかった。照射培地中の培地経由バイスタンダー効果を生物学的指標以外で観測できるのは,現時点で遅発性長寿命ラジカルの生成のみである。

    • マクロドジメトリとマイクロドジメトリの融合  [PDFファイル(930 kB)
      佐藤達彦(原子力機構)
    • 細胞実験やG値測定など放射線生物・化学で得られた知見を放射線防護体系に反映させるためには,DNA や細胞など微視的な領域を対象としたマイクロドジメトリと,人体など巨視的な領域を対象としたマクロドジメトリの知見を融合する必要がある。そこで,本稿では,マイクロドジメトリとマクロドジメトリのコンセプトの違いを説明し,それらの知見を融合した例として,筆者らが中心となって開発した,微少領域内付与エネルギー分布に基づく新たな生物学的線量評価モデルについて解説する。

    • ライブセルイメージングから見たDNA二重鎖切断認識の分子機構  [PDFファイル(414 kB)
      諸冨桂子・矢野憲一(熊大)
    • 非相同末端連結(NHEJ)はDNA二重鎖切断(DSB)の主要な修復経路である。近年,ライブセルイメージング法とレーザーマイクロビーム照射を併せて用いることで,NHEJに関わるタンパク質分子の細胞内挙動をリアルタイムで解析することが可能となってきた。こういった研究の結果,DSB上のNHEJ関連分子は従来想像されていたものよりはるかにダイナミックに挙動していることが判明し,NHEJの分子機構を理解する上で重要な概念を生み出すこととなった。

    • あとがき:“放射線”をピポットとする化学と生物学  [PDFファイル(262 kB)
      横谷明徳(原子力機構)

  • とぴっくす
    • 極微細加工用小型高エネルギー集束プロトンビーム描画システムの開発  [PDFファイル(504 kB)
      石井保行・大久保猛・神谷富裕(原子力機構)

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最終更新日: 2011年3月31日