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会誌「放射線化学」

■2008 No.85  [PDFファイル・全ページ(12.1 MB)

  • 巻頭言
  • 受賞記事
    • 平成18年度奨励賞「超高速パルスラジオリシス装置の構築と活用」  [PDFファイル(1.5 MB)
      室屋裕佐(東大)
    •   

      放射線誘起反応の初期過程解明のため,レーザフォトカソードRF電子銃とフェムト秒レーザを組み合わせた超高速パルスラジオリシス装置を構築した。サブ10ピコ秒の時間分解能を達成すると共に,可視から赤外領域において測定可能な装置を構築した。これを用いて水および各種アルコール中の溶媒和前電子・溶媒和電子のピコ秒領域における過渡吸収測定を行い,モンテカルロ計算やナノ秒パルスラジオリシスも併用してそれらの初期収量や溶媒和過程を調べた。

  • とぴっくす
    • コンクリートのアルカリ骨材反応と放射線損傷  [PDFファイル(1.6 MB)
      市川恒樹(北大)
    • 本稿は,アルカリ骨材反応によるコンクリートの劣化機構,および放射線照射によるアルカリ骨材反応の加速効果についての,著者のこれまでの研究をまとめたものである。その内容は以下のように要約される。

      1) これまでの定説とは異なり,アルカリ骨材反応によるコンクリートのひび割れはカルシウムシリケートの生成によって生じる。砂利や砂などの骨材中の反応性シリカ成分とセメント中のアルカリ分との反応で生じたアルカリシリケートゲルは,骨材表層部を密に覆う。このゲルはアルカリの消費に伴って溶出したカルシウムイオンとさらに反応するため,骨材は堅いカルシウムシリケート層で覆われることとなる。カルシウムシリケート層を浸透したアルカリ溶液はその内部をアルカリシリカゲルに変え,コンクリートを割るのに十分な膨張圧を骨材内に発生・蓄積させる。このためコンクリートがひび割れ,膨張する。

      2)本邦の骨材中の主要成分をなす水晶や斜長石はアルカリ反応性鉱物ではないが,放射線を照射すると反応性鉱物に変化する。特に斜長石は100MGy程度の比較的低線量の放射線で非晶質化し,アルカリ反応性となる。これらの結果は,原子炉炉心を取り囲むコンクリート構造物は,放射線促進アルカリ骨材反応による損傷を受ける可能性があることを示唆している。

    • ジアリールエテンを用いた高感度カラー線量計  [PDFファイル(660 kB)
      入江せつ子1,入江正浩2(大府大1,立教大2

      医療器具や血液の放射線滅菌,放射線照射機器や原子力発電施設の放射線漏洩検査,人体への放射線被曝測定などに際し,その放射線線量を検出し評価する必要がある。私たちは,微量放射線が検出できる高感度放射線カラー線量計をめざし,フォトクロミック分子であるジアリ―ルエテンを用いて,研究をはじめている。ジアリールエテンの単結晶,溶液系,バルクアモルファス薄膜,高分子媒体分散系での放射線感受性について紹介する。10 Gyの放射線照射で着色した例を示す。

    • 放射線を利用したバイオプラスチックの改質  [PDFファイル(1.1 MB)
      長澤尚胤(原子力機構)
    • 地球温暖化問題を解決するため,植物由来のバイオプラスチックの利用が期待されている。その中でも実用化が期待されているポリ乳酸の耐熱性向上に,橋かけ剤を添加した放射線橋かけ技術を応用して改善できることを明らかにした。この技術により高温に耐える生分解性ポリ乳酸熱収縮材や透明性を保持した射出成形品の開発に発展した。さらに,柔軟な弾力性のあるポリ乳酸を開発することにも成功した。これらの開発したポリ乳酸を実用化できれば,汎用プラスチックの代替え品として幅広い応用分野での利用価値があると考えられる。

    • 原子数制御したポリイン分子の光学特性  [PDFファイル(1.1 MB)
      若林知成(近大)
    • ポリインは炭素の三重結合と一重結合が交互に連なる直線構造の分子であり,二重縮退したπ電子系に特有の光物性や伝導性に興味がもたれる。近年,有機溶媒中で炭素微粒子のレーザーアブレーションを行う新しい生成法が報告され,光学特性に関する系統的な研究が始まっている。本稿では,水素終端したポリイン分子HC2nH (n=4-8)の共鳴ラマンスペクトルおよび分散蛍光スペクトルからラマン散乱過程における共鳴効果および禁制遷移における振電相互作用について考察した最近の話題について紹介する。

    • 高強度陽電子ビームを利用した陽電子プローブマイクロアナライザーの開発  [PDFファイル(1.2 MB)
      大島永康1,鈴木良一1,大平俊行1,木野村淳1,鳴海貴允2,上殿明良2,藤浪真紀3(産総研1,筑波大2,千葉大3
    • 陽電子プローブマイクロアナライザー(PPMA)を産総研にて開発中である.PPMAとは,陽電子ビームを集束して試料上に打ち込み,その際放出する2次電子・散乱陽電子・消滅γ線等(陽電子寿命やエネルギーのドップラー拡がり)を測定することにより試料微小領域の材料評価を行う装置である.PPMAを構成する各種技術と,既に得られている装置性能について報告する.

  • 特別寄稿
    • 放射線研究に関する雑談,あるいは略して放談 ―第17回:速い荷電粒子からの物質のエネルギ−吸収と光吸収―  [PDFファイル(584 kB)
      井口道生(アルゴンヌ)

  • 海外リポート  [PDFファイル(452 kB)
    • TSRP-2008参加報告  佐伯昭紀(阪大)

  • ニュース  [PDFファイル(984 kB)
    • ASR2007国際会議報告  木村 敦(原子力機構)
    • 2007年度放射線化学若手の会「夏の学校」活動報告  大河悠一(東工大)
    • 第50回討論会報告  1日:牛田考洋(名大),2日:菅 晃一(阪大),3日:小宮圭太(早大)
    • 第50回放射線影響学会参加報告  前山拓哉(東大)

  • お知らせ  [PDFファイル(100 kB)
    • 第51回放射線化学討論会案内  小林慶規(産総研)

  • 本会記事  [PDFファイル・これ以降全て(2.4 MB)
    • 事務局より:理事会議事録等  鷲尾方一(早大・事務局)

  • 賛助会員名簿

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最終更新日: 2009年4月16日