2020年 学会誌 第110号

会誌「放射線化学」(ISSN 2188-0115
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■2020 No.110 PDFファイル・全ページ

巻頭言

「アフターコロナに向けて」 
中川 清子(都産技術) [PDFファイル

 

特集記事「ESR法を用いた放射線の科学の最近の進歩」1

「歯のエナメルを用いたESR生体線量計測」 
豊田 新,戸高 安曇(岡山理科大学) [PDFファイル

歯のエナメルの構成成分であるヒドロキシアパタイト [Ca10(PO4)6(OH)2] 中に,放射線によって安定なCO2ラジカルが生成することを利用して,生体線量計測を行うことができる.人の歯を用いる場合についてはISO(国際標準化機構)の標準が発行されており,確立された線量計測手法であるといえる.観測されるESRスペクトルからCO2ラジカルの信号を分離するコンピュータプログラムが開発されたことで,大きく線量計測の下限が改善されたことが,手法の確立に大きく貢献した.本論では,歯を用いたESR線量計測の手法の概略について述べると共に,今後の課題に言及する.人の永久歯については,得られる線量の下限,世界的な標準試料の作成,また一般の公衆について得られるバックグラウンド線量といった課題がある.同じヒドロキシアパタイトである,乳歯や他の哺乳動物の歯を用いた線量計測の可能性も考えられる.また,線量計測限度を改善するため,より感度の高いQバンドによる計測,また放射線事故の際のトリアージュに用いるための,Lバンドによるin-vivo計測も提案されている.

 

特集記事「ESR法を用いた放射線の科学の最近の進歩」2

「ESRで調べる野生動物の外部被ばく線量」 
岡 壽崇(原子力機構),高橋 温(東北大病院) [PDFファイル

本稿では,電子スピン共鳴(ESR)法を用いてどのように野生動物の外部被ばく線量を推定するかを解説する.ニホンザルのエナメル質を用いて,炭酸ラジカル強度と吸収線量の関係,いわゆる検量線を作成した.検量線から推定された検出限界は33.5 mGyであり,ヒト臼歯を用いた際の検出限界とほぼ同等であった.この検量線を用いて福島県で捕獲された野生ニホンザルの外部被ばく線量を推定したところ,45 mGyから300 mGyの被ばくをしているサルが見つかった.

 

特集記事「ESR法を用いた放射線の科学の最近の進歩」3

「電子スピン共鳴(ESR)法を用いた断層年代推定法」 
田中 桐葉,武藤 潤,長濱 裕幸(東北大学),岡 壽崇(原子力機構)
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電子スピン共鳴(ESR)法を用いた断層年代推定法は,断層内物質に含まれる鉱物中の欠陥に捕獲された不対電子数をESR信号強度として検出し,地震前後でのESR信号強度の量的変化に基づいて断層活動年代を推定する手法である.しかし,この手法には,地震時の断層運動によりESR信号強度が0になるゼロセットと呼ばれる現象が前提としてある.これまでに,ESR信号強度のゼロセットを理解・実証するために,天然の断層破砕物の解析や断層運動を模擬した室内実験等が行われている.本稿では,断層運動によるESR信号のゼロセットに関する過去の研究をまとめ,現状と今後の課題について述べる.

補足資料

 

とぴっくす1

「ナノ構造光電極における光誘起電荷分離ダイナミクス -色素増感およびプラズモン増感反応のメカニズム-」
古部 昭広(徳島大学) [PDFファイル

 

とぴっくす2

「超伝導転移端センサによる単一光子検出技術の進展と現状」
服部 香里(産総研) [PDFファイル

 

放射線利用紹介 

「産業技術総合研究所の新規中性子解析施設(AISTANS)の紹介」
大島 永康,木野 幸一,オローク ブライアン,田中 真人(産総研,ISMA)[PDFファイル

 

会員のページ PDFファイル

「田畑先生の想い出」
勝村 庸介(元日本アイソトープ協会)

「田畑米穂先生を偲んで」
田川 精一(大阪大学)

「田畑米穂先生を偲ぶ」
小林 仁(KEK)

「田畑米穂先生の想い出 -平成から令和にかけて-」
阿部 浩之(量研)

「田畑先生を偲んで」
池田 重利(元株式会社レイテック)

「In Memory of Professor Yoneho TABATA」
Jacqueline Belloni(Universite Paris-Saclay)

「John M. Warman先生と私」
関 修平(京都大学)

 

書評 PDFファイル

「光物性学原論」
藤井 健太郎(量研)

 

本会記事  [PDFファイル・これ以降全て

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