トップページ 日本放射線化学会について 入会案内 入会案内 入会案内 「放射線化学のすすめ」サポートページ 放射線化学討論会 国内の研究会・シンポジウム情報 国際学会・シンポジウム情報 会員の皆様へのお知らせ
学会誌「放射線化学」の紹介 放射線化学 若手の会 リンク 事務局

会誌「放射線化学」

(PDFファイルを開くためにはパスワードが必要です。会員の方には,冊子でお知らせしています。)

■2007 No.83  [PDFファイル・全ページ(20 MB)

  • 巻頭言
  • 展望・解説
    • 陽電子・ナノ空孔の相互作用の基礎と先端材料分析への展開  [PDFファイル(1.1 MB)
      伊藤賢志(産総研)
    • 陽電子・電子の束縛状態であるポジトロニウム(Ps)の消滅寿命と1 nm以上のナノ空孔の大きさとの新しい相関式を提案した。真空中においてPsは電子の2倍の質量をもつ古典力学的粒子とみなせるが,1 nm以下のサブナノ空孔に閉じこめられると量子力学的波動性に支配される。そこでナノ空孔内におけるPsが両方の性質を併せ持つことを仮定して,陽電子と電子のスピンが平行なオルト-ポジトロニウム(o-Ps)の消滅寿命モデルを構築し,様々な多孔性物質を用いることにより,その妥当性を明らかにした。さらに,本モデルを空孔導入型低誘電率膜など先端材料のナノ空孔構造分析に応用した。

    • 高分子材料の単一粒子ナノ加工と構造制御  [PDFファイル(1.7 MB)
      関 修平1,佃 諭志1,杉本雅樹2,田川精一1(阪大1,原子力機構2

      本稿では高エネルギーで加速された単一粒子を高分子薄膜に入射させた際,その軌跡に沿ったナノメートルスケールの1次元的な超微細空間内にのみ引き起こされる高分子架橋反応を利用して,架橋高分子ナノ細線を形成する一連の研究について紹介する。いわゆる「イオントラック」を,架橋高分子の「ひも」として可視化しうる本研究では,形成される細線のサイズを詳細に検討することによって,材料形成だけでなく,イオントラック内のエネルギー密度分布や高分子の分子サイズの実験的・定量的評価が可能である。また,太さや長さが均一な「ナノワイヤー」材料の形成法として考えた場合,電気特性評価・熱処理によるセラミックナノワイヤーの形成などが可能である。さらに単純な高分子多層膜の利用により,さまざまな組成を有する「ナノワイヤー連結体」が形成され,ベースとなる高分子の特性を利用した選択的凝集による多様な組織構造の実現についてもあわせて紹介する。

  • とぴっくす
    • 絶縁体キャピラリーを用いた多価イオンビームガイド効果とナノビームの生成  [PDFファイル(1.4 MB)
      池田時浩,金井保之,小島隆夫,岩井良夫,山崎泰規(理研)
    • 我々はガラスキャピラリーを用いて多価イオンのマイクロビームやナノビームを簡便に生成する方法を開発した。キャピラリーの出口径は入口径より小さく,ビームの出射時の密度は入射時よりも向上する。この方法はビームが絶縁体キャピラリーに入射することによって起こる内壁表面の自己組織化帯電現象を利用しており,イオンは帯電によるポテンシャルによって内壁に触れることなく反射されるためキャピラリー軸に沿ってガイドされ,通過時の荷電変換も防ぐことができる。これまで,同様の現象が絶縁体マルチキャピラリーフォイルでも観測されており,近年,自己組織化帯電現象によるガイド効果が注目を集めている。

    • 中性子反射率法による埋もれた高分子界面の構造評価  [PDFファイル(1.1 MB)
      鳥飼直也 1,野呂篤史,松下裕秀2(高エネ研1,名大2
    • 中性子反射率法は,物質界面において中性子が光学的に反射する性質を利用して,試料の深さ方向の密度分布をサブnmスケールの高い精度で観測でき,物質の表面・界面や薄膜のような微小な構造の観察に非常に優れている。プローブとして用いる中性子の特性により,物質内部に深く埋もれた界面を非破壊で探査でき,また高分子をはじめ分子中に多数の水素を有する試料について重水素ラベル法を活用し試料の性質を大きく変えることなく試料中の特定の部分に関する構造情報を得ることが可能である。

    • 彗星氷中に含まれる分子の核スピン異性体存在比  [PDFファイル(712 kB)
      河北秀世(京産大)
    • 天文学において,様々な分子における核スピン異性体の存在比は過去から現在までに分子が経験してきた物理過程を反映する重要な手がかりとして注目されている。本稿では,彗星と呼ばれる小さな天体を使って太陽系が形成された46億年前の様子を探るという著者らの研究を中心に,天文学においてどのように分子の核スピン異性体が利用されているかを紹介する。

    • チオスピネル化合物におけるイオンビーム誘起準安定伝導相の観測  [PDFファイル(723 kB)
      束原大貴,越水正典,浅井圭介(東北大)

      チオスピネル化合物CuIr2S4に低温にてイオンビーム照射を行うことにより,電気伝導度の上昇を観測した。生じた伝導相は準安定状態であり,X線照射によって生じた伝導相と同一であると考えられる。求められた断面積は数平方ナノメートルオーダーであり,LETの増大に対して断面積は増大する一方,Ir二量体結合の切断のG値は減少した。これにより,当該物質中における電離作用が起こる領域の断面積が求められ,2.0 MeVのHe+照射におけるLETにおいて初めて,領域内の結合が全て切断されたナノワイヤー状の伝導相が形成されていることが明らかとなった。

  • 特別寄稿
    • 放射線研究に関する雑談,あるいは略して放談 ―第15回:余剰電子―  [PDFファイル(370 kB)
      井口道生(アルゴンヌ)

      凝縮相の物質には多数の電子が含まれており,固有の電子構造を成しているが,それ以外の電子も少なくとも一時的に存在することがある。余剰電子と呼ばれる,そのような電子は放射線化学の研究対象であるし,光伝導や光電子の研究にも登場する。余剰電子の振る舞いを支配するのは,仕事関数あるいは伝導帯のエネルギーで,物質中での電子の最低のエネルギーと真空でのそれの差である。その大きさは,電子と一個の分子の相互作用と,凝縮相の物質の静電分極によって決まる。金属からの陽電子放出,重い原子核のアルファ崩壊なども,類似の考察で理解できる。

  • 海外リポート  [PDFファイル(1.1 MB)
    • XIVth International Conference on Positron Annihilation(ICPA14)参加報告  大島永康(産総研)
    • APSRC2006参加報告  蒲原真澄(神戸大)
    • IRaP2006参加報告  李 景Y(早大)

  • ニュース  [PDFファイル(1.3 MB)
    • 2006年度放射線化学若手の会「夏の学校」報告  山本洋揮(阪大)
    • 第49回放射線化学討論会報告  1日:熊谷友多(東大), 2日:山ア健太(北大)・端 邦樹(東大),3日: 青柳 登(原子力機構)
    • 原子力学会2006年秋の大会報告  永石隆二(原子力機構)
    • 「イオンビーム誘起放射線化学」研究会参加報告  岡 壽崇(産総研)

  • お知らせ  [PDFファイル(342 MB)
    • 笛木賢二教授のご逝去を悼む  宮崎哲郎(名大)
    • 第50回放射線化学討論会案内  柴田裕実(京大)

  • 本会記事  [PDFファイル・これ以降全て(9.5 MB)
    • 事務局より:理事会/総会議事録等  鷲尾方一(早大・事務局)

  • 賛助会員名簿

  • 広告

 

■バックナンバー

最終更新日: 2007年10月1日